サービサー
サービサーとは、正式には「債権回収会社」と呼ばれ、金融機関などから債権(借金の回収権利)を譲り受け、回収業務を行う会社のことをいいます。日本では、1998年に制定された「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」によって設立が認められた民間の専門会社です。法務大臣の許可を受けて営業しており、厳格な管理体制が求められています。
住宅ローンを滞納し続けると、金融機関は債権をサービサーに売却することがあります。この場合、債務者(お金を借りた人)は、元の銀行ではなくサービサーと直接やり取りして返済条件を調整したり、債務整理を進めたりすることになります。
サービサーは、単に強制的な取り立てを行うだけでなく、債務者の状況に応じた柔軟な対応を行うことも特徴です。たとえば、任意売却を希望する場合、サービサーとの交渉によって不動産売却の同意を得たり、売却後の残債務について分割払いや減額交渉を行ったりすることが可能です。金融機関よりも対応がスピーディーで、話がまとまりやすいケースも少なくありません。
ただし、サービサーも債権の回収を目的としているため、債務の返済や整理に関しては計画的に対応する必要があります。交渉を有利に進めるためには、任意売却や債務整理に詳しい専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
任意売却を検討している方にとって、サービサーの存在は非常に重要な要素となります。もし通知や連絡が届いた場合には、放置せず、できるだけ早く状況を把握し、適切な対応をとることが、今後の生活再建に大きく影響します。