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具体的な配分案の例

- 作成日:2020年3月15日(日曜日)

今回は実際の配分案の例を見てみましょう。

 

築15年のマンション

住宅ローン残債:     2000万円
1番抵当:旧住宅金融公庫:1700万円
2番抵当:信販会社:    300万円
市役所からの税金差押:   150万円

 

Aさんはサラリーマンで15年前に新築マンションを購入され、住宅ローンの毎月返済額は10万円、ボーナス払いは25万円、他マンション管理費を2万円・固定資産税を年間10万円払っています。

 

病気による失業で再就職もなかなか決まらず、住宅ローン支払いに行き詰りました。売却の為、不動産会社に査定依頼するもローン残債の金額までは届かず、滞納がはじまりました。金融機関に相談のところ競売かもしくは任意売却してはどうかとアドバイスをもらったそうです。

 

任意売却による査定
弊社にご相談にこられ、物件の査定をしたところ重タウローン残債は2000に対して査定価格は1500万円程度でした。以下が1500万円で売却した場合の配分案です。

〈配分案〉
売却価格:     1500万円
1番抵当: 1,336万9,000円
2番抵当:       30万円(ハンコ代)
税金差押:       20万円
管理費滞納分:     24万円
仲介手数料:   56万1,000円
登記抹消費用:      3万円
引っ越し費用:     30万円

 

売却価格1500万円ですので1番抵当権者とハンコ代と経費の配分の交渉を行います。固定資産税滞納で差し押さえされているので自治体と交渉を行いました。差押解除の対応は自治体によってまちまちです。このケースでは固定資産税2年分の20万円で差し押さえ解除に応じていただきましたが全額返済でないと応じていただけないケースもあります。
1番抵当権者も税金滞納分20万円の配分を認めていただきました。

 

任意売却後の残債
任意売却後の残債と今後の支払い額です。

1番抵当:363万1,000円
2番抵当:     270万円
税金滞納分:    126万円
合  計:759万1,000円

 

Aさんは賃貸マンションに引っ越しされアルバイトをしながら再就職も模索することになりました。
今後の住宅ローン支払いについては債権者に相談し1番抵当権者は月額2万円・2番抵当権者は月額1万円・税金については月額5000円の支払いで剰余金がでればその都度いくらかづつでも支払うということで了解いただきました。また再就職後は支払い額の見直しを行うということで各債権者さんも了解済みです。

 

ただ残債が約760万円ある為、実際には全額返済への道のりは長いです。
少しづつでも誠意をもって返済していき、いづれかのタイミングで債権者に債務圧縮の相談やそれが難しい場合は法的な債務整理をされるのも選択肢であると助言させて頂きました。

 

マイホームを手放す結果となりましたが、返済額も少なくなり、住宅ローン支払いのプレッシャーから解放され、再就職に向けて前向きに考えていけるようになったそうです。

 

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